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ひとり親家庭が申請できる貸与型奨学金を紹介!志望校へ進学しよう

ひとり親家庭が申請できる貸与型奨学金

「大学へ進学して馬鹿にしたやつらを見返してやる!」

「大学を出て大企業に就職し、貧乏から抜け出してみせる。」

「無利子の奨学金を借りられるなら進学させてもいい。有利子なら進学をあきらめさせる。」

こんな考えをお持ちではないですか?

はっきり言います。最終学歴は高卒よりも大学卒の方が絶対に有利です。仮に学歴が役に立たなくても大学卒で損することはありません。

給付型奨学金の条件を満たさないなら、無利子の奨学金を借りて進学し、節約しながら大学生活を送るしかありません。学業に影響しない程度のアルバイトをしながら、極力借りたお金を残す努力をしましょう。

ひとり親家庭が申請できる貸与型奨学金制度とは

奨学金には、返済不要の給付型奨学金と返済必要の貸与型奨学金があります。貸与型奨学金には、無利子で借りられる貸与型奨学金と有利子の貸与型奨学金があります。

まずは無利子の貸与型奨学金を検討しましょう。有利子の貸与型奨学金を借りる場合は、進学先を卒業するときに返済額がいくらになるかを、あらかじめ計算しておきましょう。この計算は絶対にしておかなければいけません。

日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金

多くの人が利用している日本学生支援機構の貸与型奨学金には、無利子の第一種奨学金有利子の第二種奨学金があります。

令和2年度に大学・大学院・短大・高専・専修学校(専門課程)で第一種奨学金を貸与されている奨学生は約48万人、第二種奨学金の貸与されている奨学生は約71万人です。

貸与型奨学金制度の運営団体JASSO

JASSOは、2004年に国の学生支援事業を実施する機関として設立され、現在は奨学金事業・留学生支援事業・学生生活支援事業を展開しています。

利子補給金(貸与型奨学金が無利子の期間の金利負担分)、国庫補助金(返還免除の経費や回収不能債権の償却分)、運営費交付金(事業にかかる経費、人件費、管理費分)は政府の毎年度予算からJASSOに対して補助されています。

つまり、奨学金事業を行うための費用は政府の予算、すなわち私たちの税金でまかなわれています。

次は、JASSOの第一種・第二種奨学金制度がどんなものかを紹介します。

ひとり親家庭が申請できる第一種奨学金制度

ひとり親家庭は、できる限り無利子の第一種奨学金を利用しましょう。給付型奨学金がもらえない場合でも、なるべく奨学生の将来の負担が少ない選択をすることが大切です。

また、給付型奨学金と第一種奨学金を併用すること、第一種奨学金と第二種奨学金を併用することも可能です。給付型奨学金と併用する場合は、第一種奨学金の貸与額が調整されます。

「第一種奨学金で借りられる金額は?条件はあるの?申請手続きは?」といった疑問に答えていきます。

第一種奨学金(JASSO)の金額

第一奨学金の貸与月額は、次のとおりです。

進学先が大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)か、自宅から通学か自宅外から通学かで分かれており、その中でも貸与月額を選ぶことができます。

在学中に借りるお金が合計でいくらになるかは事前に確認しておき、無理のない範囲で借りましょう。

【給付型奨学金と併用しない場合(平成30年以降入学者)】

大学(貸与月額(単位:円))

区分自宅自宅外
国公立20,000
30,000
45,000
20,000
30,000
40,000
51,000
私立20,000
30,000
40,000
54,000
20,000
30,000
40,000
50,000
64,000

短期大学(貸与月額(単位:円))

区分自宅自宅外
国公立20,000
30,000
45,000
20,000
30,000
40,000
51,000
私立20,000
30,000
40,000
53,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000

高等専門学校(貸与月額(単位:円))

区分自宅自宅外
国公立本科1~3年生:
 10,000
 21,000
本科4・5年生専攻科:
 20,000
 30,000
 45,000
本科1~3年生:
 10,000
 22,500
本科4・5年生、専攻科:
 20,000
 30,000
 40,000
 51,000
私立本科1~3年生:
 10,000
 32,000
本科4・5年生、専攻科:
 20,000
 30,000
 40,000
 53,000
本科1~3年生:
 10,000
 35,000
本科4・5年生、専攻科:
 20,000
 30,000
 40,000
 50,000
 60,000

専修学校(専門課程)(貸与月額(単位:円))

区分自宅自宅外
国公立20,000
30,000
45,000
20,000
30,000
40,000
51,000
私立20,000
30,000
40,000
53,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000

【給付型奨学金と併用する場合】

大学(貸与月額(単位:円))

区分第1区分第2区分第3区分
国公立自宅
自宅外
0(0)
0
10,600(13,900)
0
27,700(20,000、32,400)
21,200
私立自宅
自宅外
0(0)
0
8,400(15,600)
0
20,000、31,200(20,000、39,800)
28,700
※()内は、親と同居の生活保護世帯の人、児童養護施設等から通学する人の場合です。

短期大学(貸与月額(単位:円))

区分第1区分第2区分第3区分
国公立自宅
自宅外
0(1,400)
0
14,600(17,900)
0
29,700(20,000、34,400)
23,200
私立自宅
自宅外
0(0)
0
7,400(11,600)
0
20,000、30,200(20,000、35,800)
24,700
※()内は、親と同居の生活保護世帯の人、児童養護施設等から通学する人の場合です。

高等専門学校(貸与月額(単位:円))

区分第1区分第2区分第3区分
国公立自宅
自宅外
7,900(5,600)
0
20,200(20,700)
15,100
20,000、32,500(20,000、35,800)
20,000、33,000
私立自宅
自宅外
0(0)
0
0(0)
0
24,600(28,800)
26,000
※()内は、親と同居の生活保護世帯の人、児童養護施設等から通学する人の場合です。

専修学校(専門課程)(貸与月額(単位:円))

昼間部

区分第1区分第2区分第3区分
国公立自宅
自宅外
1,900(3,800)
0
16,200(19,500)
0
20,000、30,500(20,000、35,200)
24,000
私立自宅
自宅外
0(0)
0
0(0)
0
23,800(29,400)
18,300
※()内は、親と同居の生活保護世帯の人、児童養護施設等から通学する人の場合です。

夜間部

区分第1区分第2区分第3区分
国公立自宅
自宅外
8,800(10,700)
0
20,800(24,100)
1,800
20,000、32,800(20,000、37,500)
26,300
私立自宅
自宅外
0(0)
0
5,700(9,900)
0
29,300(20,000、34,900)
23,800
※()内は、親と同居の生活保護世帯の人、児童養護施設等から通学する人の場合です。

第一種貸与型奨学金(JASSO)の条件

家計基準

第一種奨学金の進学前(予約採用)の家計基準ですが、世帯人数や就学者の有無等で異なります。生計維持者の収入が主な対象となりますが、次の表はおおよその目安金額です。

【大学・短期大学・専修学校(専門課程)】

世帯人数給与所得給与所得以外
3人657万円286万円
4人747万円349万円
5人922万円514万円

2020年1月1日以前から勤務先、雇用形態が変わっていない場合は、マイナンバーを提出することで収入の証明書は不要です。

2020年1月2日以降に就職または転職した場合は、「給与明細計算書(様式4)と直近3か月分の給与明細コピー」か「年収見込証明書(様式5)」を提出する必要があります。

どちらの場合でも、各種手当や援助を受けている場合は金額を証明する書類が必要です。

学力基準

第一種奨学金の進学前(予約採用)の学力基準は、次のいずれかです。①では、高校等の成績が判断基準になるので、しっかり勉学に励んでおきましょう。

【大学・短期大学・専修学校(専門課程)】

  1. 高校等での申込時までの全履修科目の評定平均が、5段階評価で3.5以上
  2. 高校卒業程度認定試験合格者

第一種奨学金(JASSO)の保証制度

第一種奨学金を申し込むには、次のいずれかの保証制度を選ぶ必要があります。ただし、所得連動返還方式を申し込む場合は、期間保証しか選ぶことはできません。

①機関保証に加入する(機関保証)

公益財団日本国際協力支援協会が保証期間となり、協会に対し一定の保証料を支払う必要があります。

②連帯保証人と保証人を選任する(人的保証)

条件を満たす連帯保証人と保証人を必要とし、奨学生が返還を延滞した場合には連帯保証人と保証人が奨学生に代わり返還する義務を負います。

第一種貸与型奨学金(JASSO)の返還

第一種奨学金を返還する方法として、次の2通りの方法を選ぶことができます。

①定額変換方式

貸与総額に応じて返還月額が決まり、毎月一定額を返還が完了するまで返還する方法です。

割賦方法は、「月賦返還」と「月賦半年賦併用返還」があります。「月賦返還」では、割賦金を返還回数に応じて毎月引き落とされます。「月賦半年賦併用返還」では、返還金額を月賦分と半年賦分の半分に分けそれぞれの金額に応じた割賦金を毎月、及び6か月ごと(1月、7月)に引き落とされます。

②所得連動変換方式

前年所得に応じてその年の返還月額が決まるため、年によって返還月額が変わります。そのため、返還期間も一定とはなりません。マイナンバーの提出が必須です。

ひとり親家庭が申請できる第二種奨学金制度

第二種奨学金は有利子の奨学金であるため、借りたお金以上を返す義務が生じます。第一種奨学金だけでは不足する場合には、第二種奨学金を併用することも検討しましょう。

ただし、貸与額はできる限り少なくして奨学生の返還負担を減らしましょう。

第二種奨学金(JASSO)の金額

大学月額20,000円~120,000円(10,000単位)
短期大学月額20,000円~120,000円(10,000単位)
高等専門学校本科1~3年生:第二種奨学金の対象外
本科4、5年生・専攻科:月額20,000円~120,000円(10,000円単位)
専修学校
(専門課程)
月額20,000円~120,000円(10,000単位)
私立大学の特定の課程では、20,000円~40,000円の増額も可能です。

第二種奨学金(JASSO)の貸与利率

第二種奨学金の貸与利率は、「利率固定方式」か「利率見直し方式」から選んだ利率の算定方法にあひたがって、貸与終了月の貸与利率が適用になります。

令和3年度4月~1月に貸与が終了した場合の貸与利率は、年利(%)で次のとおりです。

基本月額利率固定方式0.161%~0.268%
 利率見直し方式0.002%~0.006%
増額部分利率固定方式0.361%~0.468%
 利率見直し方式0.202%~0.206%

第二種奨学金(JASSO)の条件

【家計基準】

第二種奨学金の進学前(予約採用)の家計基準ですが、第一種奨学金と同じく世帯人数や就学者の有無等で異なります。生計維持者の収入が主な対象となりますが、次の表はおおよその目安金額です。

世帯人数給与所得給与所得以外
3人1,009万円601万円
4人1,100万円692万円
5人1,300万円892万円

2020年1月1日以前から勤務先、雇用形態が変わっていない場合は、マイナンバーを提出することで収入の証明書は不要です。

2020年1月2日以降に就職または転職した場合は、「給与明細計算書(様式4)と直近3か月分の給与明細コピー」か「年収見込証明書(様式5)」を提出する必要があります。

どちらの場合でも、各種手当や援助を受けている場合は金額を証明する書類が必要です。

学力基準

第二種奨学金の進学前(予約採用)の学力基準は、次のいずれかです。

  1. 高校または専修学校(高等課程)での成績が平均以上
  2. 特定分野で特に優れた資質能力を有する
  3. 進学先での学修に意欲があり、確実に修了できる見込みがある
  4. 高等学校卒業程度認定試験合格者

第二種奨学金(JASSO)の保証制度

第二種奨学金の保証制度も第一種奨学金の保証制度と同じなので、「第一種奨学金(JASSO)の保証制度」を参照してください。

第二種奨学金(JASSO)の返還

第二種奨学金の返還では、所得連動返還方式を選ぶことができません。所得連動返還方式は第一種奨学金の返還でのみ選択可能です。定額変換方式については「第一種奨学金の返還」の①定額変換方式の項を参照してください。

第一種・第二種奨学金(JASSO)の申請

進学前(予約採用)に申し込む流れは以下のとおりです。

【進学前(高校等での手続き)】

①高校等から申込関係書類を受け取る(4月)

②申込手続き(4月下旬~)

  • インターネット(スカラネット)で申込情報を入力する(ユーザーIDとパスワードは学校から受け取る)
  • JASSOへマイナンバー書類を提出する(「マイナンバー提出書のセット」に入っている専用の封筒に書類を入れ簡易書留で郵送する)
  • 学校に必要書類を提出する

③「採用候補者決定通知」の交付(秋ごろ~)

【進学後(大学等に進学した後の手続き)

①「進学届」の提出

  • 「採用候補者決定通知【進学先提出用】」を進学先の学校に提出する・インターネット(スカラネット)で進学届提出する(「進学届入力下書き用紙」と「識別番号(ユーザーIDとパスワード)」は進学先の学校から受け取る)

②奨学生として採用・通知

③奨学金の振込開始(4月または5月~)

JASSO以外の貸与型奨学金

愛知県内の大学や地方公共団体が実施する団体の貸与型奨学金を紹介します。

【無利子の貸与型奨学金】

【有利子の貸与型奨学金】

ひとり親家庭が申請できる貸与型奨学金まとめ

本記事では、ひとり親家庭が申請できる貸与型奨学金を紹介しました。

貸与型奨学金には無利子の奨学金と有利子の奨学金があるため、できる限り無利子の貸与型奨学金を優先して借りましょう。どうしても有利子の貸与型奨学金を借りる必要がある場合は、貸与利率の目安を確認し、卒業時にどのくらいの返還額になるかを事前に確認しておきましょう。

母子家庭が活用できる給付型奨学金の金額・条件・申請方法は?に答えます
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